ハラスメントの法的な定義

パワハラ、セクハラの法的な定義について学習しましょう。
ハラスメントは現在様々な分類があります。
パワハラ、セクハラ以外にもマタハラ、カスハラ、SOGIハラ、ハラハラなどあります。
医療では、ドクハラ、アカハラなどもあります。
法的に規定されているのは、パワハラ、セクハラですので、今回はその2つのハラスメントの法的な定義についてお話し致します。

パワハラの法律上の定義について、説明します。
まずは、労働施策推進法を見てみましょう。
事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない と、定まっています。
つまり、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、労働者の就業環境が害されることの、3要素すべてを満たすものがパワハラということになります。

厚労省のパワハラ指針を見ますと、パワハラの6類型を記載したリーフレットがあります。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000189292.pdf
ここでは、脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃、暴行・傷害などの身体的な攻撃、過大な要求、過小な要求、隔離・仲間外し・無視などの人間関係からの切り離し、私的なことに過度に立ち入るという個の侵害が、パワハラの6類型と考えられております。

今度はセクハラの定義についてです。
男女雇用機会均等法をみてみましょう。
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない と定まっています。
また、セクハラは大きく2タイプに分類されます。対価型セクハラと環境型セクハラです。
対価型セクシュアルハラスメントとは、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、解雇、降格、減給等の不利益を受けることです。
対価型はあからさまですが、環境型は意図的な場合と無自覚の場合があります。
無自覚の場合とは、行為者自体にはセクハラの意図も認識もなく、その言動もセクハラとは断定しづらいけれども何らかの理由で相手がセクハラと感じ反応する場合です。
男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者が女性である場合は「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、 被害を受けた労働者が男性である場合は「平均的な男性労働者の感じ方」を基準として判断されると、厚労省が決めております。

令和4年4月から、中小企業でもハラスメントの防止措置の義務化が法律上決まっております。
ハラスメントの防止、対応、再発予防について、企業は取り組む必要があります。

関連記事

この記事へのコメントはありません。